なるほどエコ知識:エコホープとエコポープDJ中身は同じ?違う?エコホープエコホープDJ

同じ菌を使用しています。

クミカ第一号の微生物農薬であるエコホープですが、有効成分の微生物は静岡県の安倍川河川敷のノシバ根圏土壌より分離された糸状菌の一種です。
学名はトリコデルマ アトロビリデ(Trichoderma atroviride)SKT-1株と言います。
トリコデルマ菌は、自然界では森の土壌などに生息し、落ち葉を腐葉土に変える働きをしています。また、産業分野では加水分解酵素を多く生産する菌として北欧での製紙用パルプ加工などに利用されています。
エコホープもエコホープDJも、このトリコデルマ菌を使用しており、いずれの製剤もSKT-1株という世界唯一の菌株の胞子を有効成分としています。

生産(培養)方法が異なります。

エコホープもエコホープDJも培養によって胞子を生産し、製品としていますが、それぞれ培養方法が異なります。
エコホープは液体の中で胞子を生産しています。我々はこれを「水中胞子」とか「液中胞子」と呼んでいます。エコショットの菌体も同様の培養方法を採用しています。
一方、エコホープDJは固体培地の上で胞子を生産しています。我々はこれを「気中胞子」と呼んでいます。この方法は、麹菌の生産方法と同様です。日本はこの麹の生産に関して、世界一の技術を有しており、この技術を応用してエコホープDJの胞子を生産しています。

胞子の断面図

保存安定性が異なります。

エコホープの性能保障期間は冷蔵で4ヶ月、エコホープDJは室温以下で6ヶ月となっています。同じ菌なのに、どうしてこのような違いがあるのでしょうか?
答えは先ほどの生産(培養)方法が異なるためです。右の写真は液体中で生産した「水中胞子」と、固体培養で得られた「気中胞子」をそれぞれ輪切りにしたときの断面です。矢印で示した一番外側が細胞壁と言われる部分で、胞子の形を形成し、外的衝撃から中身を守る働きをしていて、卵の殻のような役割をしています。この細胞壁の厚さが水中胞子は約120 nm(1 nmは0.000001 mm)ですが、気中胞子は約250 nmあります。 また、水中胞子は水分を多く含みますが、気中胞子の水分は10%以下になっています。これらの違いが両剤の保存安定性が異なる所以です。

でも生物活性は同じです。

このようにエコホープとエコホープDJは胞子の状態が異なりますが、病害に対する防除効果は同一です。これはイネばか苗病などに対して、胞子が直接作用して防除効果を発現するのではなく、胞子から発芽した菌糸が病原菌に作用するためです。水中胞子も気中胞子も植物の「種子」のようなもので、この胞子が、「温度と水分と栄養と空気」の条件が整うと発芽して菌糸を伸長させます。水中胞子からも気中胞子からも全く同じ菌糸が発芽してきますので、生物活性は同一であると言えます。一方で、水中胞子も気中胞子も菌糸が発芽しなかったり、発芽しても菌糸を伸長できなかったりすると、病原菌にアタックできないために、防除効果が発現できなくなってしまいます。従いまして、エコホープもエコホープDJも効率的に防除効果を発現するためには、以下の条件が必要です。

●購入後速やかに使用し、性能保障期間内の製品を使用する。
●催芽温度は30℃前後(この菌の最適生育温度も30℃です)で行う。

水分と栄養と空気は通常の浸種、催芽を行えば十分に供給されています。また、エコホープもエコホープDJも購入した時点では、胞子は生きています。生きている微生物ですので、お手元に届きましたら、早めに使用していただくことが上手な使い方の一つに挙げられます。勿論、エコホープは冷蔵で4ヶ月、エコホープDJは室温以下で6ヶ月という有効期限を守っていただければ、胞子の発芽能力が低下することはありません。