JAコスモス日高支所
ハウス園芸部会 矢野氏にきく

トマトの故郷“高知県・日高村”
早朝のハウスの中は、ひんやりとした空気が漂っている。昼が近づくと気温は一気に上昇し、1日の温度差は約20度に達する。この温度差はトマトの原産地・アンデスの気候と酷似している。高知県・日高村では、ハウスの中にトマトの故郷であるアンデスと同じ環境を作り上げることで、トマトが本来持っている生きる力を発揮させている。生命力にあふれたトマトだからこそ、強い甘味と程良い酸味の絶妙なバランスが生まれるのである。
トマト作りの達人たち
日高村でビニールハウスによるトマト栽培が始まったのは、昭和35年頃。当時は長雨や寒波などの異常気象、あるいは病気などに悩まされ、今の品質とは比べ物にならなかった。仲間同士で声を掛け合って、励まし、支えあい、あきらめることなく栽培技術と品質の向上に取組み、施設設備にも改良を重ねたことで、昭和44年には、高知県一の出荷量を誇るトマト産地へと成長した。
昭和58年、高品質トマトを目指して、新しい栽培技術への取組みを開始した。栽培時の水分を限界まで減少させる栽培技術はコントロールが難しく、講習会での議論・検討を幾度となく行い、試行錯誤した結果、今までとは違うフルーツのような甘さを持った「シュガートマト」が誕生したのである。それは長年のトマト作りで培った経験と、妥協なく美味しさを追求する熱意を持ったトマト作りの達人たちの汗の賜物なのだ。

さらなる高みへ
昭和62年に「シュガートマト」の出荷を始めた日高村だが、達人たちのトマト栽培への熱意は止まらない。JAコスモスでは、全国に先立ち、光センサーを搭載したトマト専用の選果施設を日高村に建設した。この選果施設では個別の丸パンに乗せて選別するため、トマト同士が接触しないため傷まなくなり、また作業スピードが上がり鮮度を保ったままの出荷が可能になった。さらには糖度8以上*のトマトを厳選して出荷することができ、「シュガートマト」への信頼を高めることができるようになった。
近年ではおいしさだけでなく環境にやさしい農業への取組みが行われており、農薬成分数にカウントされない微生物農薬を使用した防除体系を模索している。「病害の中で一番の悩みは、灰色かび病と葉かび病。去年の6月くらいはてっぺんまで真っ黒で収穫できなかった。」と矢野氏は話す。昨年は微生物農薬と化学農薬の体系防除を行っていたが、今年は思い切って、エコショットを主体とした予防散布へ切換えたのである。「葉かびはハウス内に発生させたらダメ。出る前に予防しなきゃ。その点ではエコショットは最適だね。今年の効果が来年以降も続けば、部会でも自信を持ってお勧めできるよ。」矢野氏はうれしそうに話してくれた。次なる目標はGAPの取得とのこと。達人たちの挑戦はまだまだ続きそうである。









